12月21日「有無を言わさないホンモノの名店による冬のスペシャリテ」
その一切れを、口に含んだ瞬間、海の中にいた。
オマールが凝縮して、舌の上でうごめいている。
他の味は一切ない。
オマールは純を極め、自らの味だけを、丸く優しく濃密にして、口の中で膨らませては、消えていく。
オマールをそのままではわからない、命の凛々しさや切ない色香を放ちながら、消えていく。
限りなく美しい。
「はあ」。一口食べるたびに、息が漏れる。
「ふう」。この幸せな時が永遠であって欲しいと思う。
三田「コートドール」 「オマールのテリーヌ ダニエル風」
エビが大好きだったマダムを思い浮かべて、作られ続ける冬のスペシャリテである。
コートドール
- 営業時間
- 12:00~14:00(閉店15:30)、18:00~20:30(閉店23:00、要予約)
- 定休日
- 定休日 月曜、第2・4火曜(盆時期休、年末年始休)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
12月22日「2015年の出逢い」
今年初めて訪れて、心震えた3軒の料理店。
~命の脆弱さと凛々しさを含んだ、無常の味わい~
鹿児島市「山映」
・鯛の潮汁、ゴーヤの炒め、雑炊ほか
「8年たってなかなかうまくいかず、挫折しかけた時、色々考えるのはよそう。過去の失敗も成功も、鯛の質も季節も考えず、ただただアクをひくことと火加減だけに集中しよう。そう思い始めてからうまくいくようになりました。結局10年もかかりました」。
ご主人 新村健治さん
割烹 山映(カッポウサンエイ)
- 電話番号
- 099-222-8300
- 営業時間
- 17:30~22:00 ※昼は土・日のみ営業、
- 定休日
- 定休日 日曜夜、月曜、祝日
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~ウチナーンチュの豊かな愛と品を今夜も伝える~
沖縄北中城「心花」
・いなむるち、クーブイリチー、ジーマミー豆腐、苦菜の白和えほか
「昔の味はこうだったと思うんです。いつから濃くなったんでしょうね」。
ご主人 花咲和子さん
琉球料理和の店心花(リュウキュウリョウリカズノミセココハナ)
- 電話番号
- 098-935-0187
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~その日収穫したものだけ、2時間前に採った野菜で料理を作る。いわきを活かす~
いわき「Hagi」
「皿から自分の個性を消したら、野菜の香りがしたんです」。
萩春朋シェフ
Hagiフランス料理店(ハギフランスリョウリテン)
- 電話番号
- 0246-26-5174
- 営業時間
- 昼12:00~L.O.13:00、18:00~L.O.20:00
- 定休日
- 定休日 無休
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12月24日「Ça va?サバ?」
Ça va? みなサバ元気?
恵比寿「SABAR」の鯖寿司は、とても危険だよ。
鯖寿司が飲食店で気軽に食べることのできない東京では(このことを関西の方に話すとみな驚く)、とても貴重なのだよ。
「とろ鯖寿司」、「焼きさば寿司」、「松前風とろ鯖寿司」の三兄弟。
鯖の身みっちりと厚く、口をあんぐりと開けて食べる感じがいいね。
好みはいろいろだけど、僕は「松前風とろ鯖寿司」かな。
とろさば料理専門店 SABAR 恵比寿店
- 電話番号
- 03-6452-5238
- 営業時間
- 11:38~L.O.14:00、17:00~L.O.22:38
- 定休日
- 定休日 日曜、祝日
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12月25日「予約の取れないあの店のシェフが始動」
ミントにコブミカンの香りを効かせた爽やかな前菜に、とてつもなく辛い「大根と細もやし ドクダミの唐辛子風味」。
押し湯葉にウニの甘みがまとわりついて少し色気が出た「ウニと押し湯葉木姜子風味」。
白金「蓮香(レンシャン)」では、前菜から舌を翻弄してくる。
鹵水で煮た鶏に、胡麻、砂糖、たまり醤油、黒酢など入れたタレで和えた、四川省自貢市名物「鉢鉢鶏」は、タレの味のバランスに笑顔を呼ぶ。
そして肉と調味の甘さが程よく抱き合った上出来の腸詰を、レモングラスと蒸した皿。
または、「おからを発酵させると腐らないんです」という、珍しい発酵おからの優しい酸味で、青菜を炒める。
さらには、熟した小魚を豆?につけ込んだものを調味料にして、ニラや筍を炒めた料理。
高菜漬のような百花菜の漬物を入れてふんわり閉じた、「湖北のオムレツ」。
ナマズのアラのスープに、干しエシャロット、葱ラード、揚げニンニクで風味付けし、ナマズを煮て春菊を乗せ、熱い油をかけた料理。
ほの甘く品のあるナマズの味と春菊のアクセント、干しエシャロットの風味が入り混じり、心を落ち着かせる。
そして最後は、シェフの元職場である麻布十番「ナポレオン・フィッシュ」でもおなじみ。戻して煮込んだポルチーニと、その戻し汁に塩卵、ニンニク、塩、胡椒、砂糖で味付けし、麺を入れて煮込んだ、「茸焼きそば」。
「どれも家庭料理ですから」と、小山内さんは謙遜するけど、やはり彼の料理は、醸した独特な調味料使いによって、複雑な、練れた旨みが生まれて、とりことなる。
そして長年の叡智が積み重なって大地に根付いた料理は、毎日食べても飽きない実直な優しさと、酒やご飯を呼ぶたくましさがある。
そして何よりこれらの料理は、日本全国どこを探しても、ここだけにしかないのである。
蓮香(レンシャン)
- 電話番号
- 03-5422-7373
- 営業時間
- 18:30~L.O.(フード21:30、ドリンク22:00)、Close23:00
- 定休日
- 定休日 不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
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