一流の味をカジュアルに! 名店出身のオトコたちが結集して作る、新感覚のイタリアンが誕生

2018年06月20日
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一流の味をカジュアルに! 名店出身のオトコたちが結集して作る、新感覚のイタリアンが誕生
Summary
1.気さくな雰囲気で“本物”を楽しめるイタリアンが代々木上原に誕生
2.当日の新鮮食材でメニューが決まる! 素材の持ち味を最大限に生かした料理の数々
3.レストランと食卓を繋ぐ。 日本とイタリアの極上の食材が買えるショップも併設

美食の街・代々木上原で注目を集める、新しいスタイルのイタリアンレストラン

食への感度が高い人が集まる街・代々木上原に2018年3月、イタリアンレストラン『QUINDI(クインディ)』がオープンした。気さくな顔を持ちながら、名店で活躍してきた若手のスタッフによる一流の味とサービスが楽しめるイタリアンレストランだ。日々の新鮮な食材でメニューが決まり、併設のショップではスタッフが尊敬する生産者の食材やワインがずらり。新しい出逢いの予感に満ちた店を紹介しよう。

代々木上原駅から徒歩5分ほど、上原3丁目交差点近くに店はある。通りに面した側は天井までガラス張りになっており、活気ある店内の様子がうかがえ、道行く人々が足をとめていく。

オーナーの塩原弘太さん、シェフの安藤曜磁(ようじ)さん、マネージャーの今田秀樹さんら『QUINDI』を作った5人の仲間が出逢ったのは、京都発のイタリアンで名高い『イル・ギオットーネ 丸の内』。それぞれが西麻布の『カルネヤサノマンズ』や代々木上原の『OSTU(オストゥ)』といった有名店に移った後も、「いつかまた一緒にレストランをやりたい」と想いを温め、満を持してのオープンとなった。

いま世界で活躍しているトップシェフたちが取り組んでいることのひとつに、フードロスやサスティナビリティといった“食の未来”を守ろうとする活動がある。そんなシェフたちのメッセージを身近に感じ体感してきたスタッフたちは、その未来を担う子供たちも一緒にテーブルを囲めるレストランで、おいしい食事の延長線上にある生産者の考えや日本の受け継がれていくべき食文化に少しでも触れられ、きっかけになりうる場を作りたいとの想いで店を開いた。

「自分たちと同世代の方々や僕らより若い人たちにも、生産者が丁寧に育ててきた食材のおいしさを気軽に味わってもらいたい。その体験をお土産として食卓に持ち帰っていただき、そこから生まれた家族や友人との会話が、食への関心や想いとして広がっていけば嬉しいです。」(塩原さん)

食材の味がくっきりと浮かび上がる、素材の味を最大限に生かした料理の数々

アラカルトがメインの『QUINDI』の料理はその日の食材の状態で決まる。各地の生産者から届いた食材を新鮮でみずみずしい状態で前菜として提供することもあれば1週間寝かせた穴子をメインとして調理することもある。それはまるでシェフによるジャズの即興演奏のよう映るかもしれないが、しっかりと準備をし、食材それぞれの持ち味を生かした料理を創り出している。

前菜の「舟盛」(写真上)は、いわゆる日本料理の船盛をイメージして名付けられた一皿。

氷水で洗った「鳥取ギンギン鮭」のカルパッチョ、イタリア産のヴィネガー「Graziano」で〆てハーブのソースを添えた千葉県産の釣り鯵は骨のチップも一緒に、そして“幻のエビ”と呼ばれる鳥取県産の「猛者(もさ)エビ」は、身はシンプルに殻のだしと味噌のソースと共に生で、頭はフリットでと食材それぞれを余すところなくおいしくいただけることをしみじみと実感する。

「イタリア半分、日本半分」(写真上)と名付けられたシャルキュトリーの盛り合わせ。こちらの妙は、イタリアと日本の食材の食べ比べだろう。

イタリア産は、生ハムの発祥の地として知られるウンブリア州ノルチャ産の18カ月熟成のプロシュート、家族で作る『バッツァ』社のコッパ(生ハム)とサラミ。いずれもイタリアの伝統技術に支えられた職人が手作りした逸品ばかりだ。

対して日本からは、地元産の食材にこだわる熊本の『株式会社MARS(マース)』のハムやサラミ。阿蘇の自然に育まれた「阿蘇自然豚」や「くまもとあか牛」を使ったシャルキュトリーは、食のプロからの評価も高い。

しっとりとしていながらも凝縮されたうまみが抜群のイタリア、フレッシュでまろやかな日本。どちらも甲乙つけがたいおいしさだ。

食感と味わいがユニーク! ワタリガニのソースに負けない、新感覚のパスタ「カサレッチェ」に驚く

パスタも珍しいものに出逢える。この日に入ったガザミ(ワタリガニ)のトマトソースでいただく、シチリアの古代小麦で作った「カサレッチェ」(写真上)がそれだ。

古代小麦とは品種改良される前の小麦の原種で、普通の小麦より風味が豊かなのが特徴。全粒粉で粒子が粗いためパスタの歯切れがよく、パツパツとした食感がユニーク。ガザミの濃厚なうまみが詰まったソースにも負けない存在感がある。

メインは「いわて県山形村短角牛」の“トウガラシ”という肩付近の部位を使ったステーキ(写真上)。低温調理した後にグリルするため、中がレアのように鮮やかな赤色をしている。この部位は赤身肉ながら肉汁が多く、噛むほどにジュワっとうまみが染み出てくるのが感動的だ。

塩原さんたち『QUINDI』のメンバーは、実際に短角牛の産地を訪れている。ひと言で短角牛と言っても、飼料や育てる人が違えば、味は異なってくる。それぞれの味を比較しながら、より赤身本来のおいしさがある岩手県山形村の牛を選んだそうだ。

ワインリストはワインセラー!? ずらりと並んだ日本とイタリアの食材は逸品ばかり

同店のワインリストは、なんと物販スペースのワインセラー。タグについている値段に2,000円をプラスすると、レストランで飲むことができる。品揃えはイタリアワインが7割と日本のワインが3割。シェフが作る料理に合わせたものから自宅に持ち帰って気軽に飲めるものまで豊富に揃っている。

グラスワインを注文すると、「その日のグラス」として栓を抜いたワインがテーブルにずらりと並ぶ。スタッフと会話しながら選んでいくというスタイルが実に楽しい。

こちらは宮城県川崎町に今年ワイナリーをオープンさせる『ファットリア アル フィオーレ』と『QUINDI』のコラボレーションオリジナルワイン。食用ブドウのみを使用した華やかな味わいが特徴だ。瓶に付けられたタグはスタッフの手書きで、購入可能なワインすべてに付いている。

入口を入ってすぐのショップに並ぶワインや食材は、スタッフが実際に味わって太鼓判を押すものばかりで、その多くが店の料理にも使われている。同店では、ショップの商品POPのみならずメニュー表にも産地や生産者などが丁寧に書かれている。
「おいしい」という体験が「この食材は何だろう?」「どうやって作られているんだろう?」とその先の興味へとつながってほしいとの願いからだ。

モノを作る人や育てる人、料理する人、それらを食べる人、それぞれの心がつながっていくことを願って創られた『QUINDI』。おいしさとの出逢いがきっかけとなり、食の未来に想いを馳せてみる。そこからまた新たな食のストーリーが生まれるかもしれない。

【メニュー】
日本中の野菜 1,400円
舟盛(1人前) 2,500円
イタリア半分、日本半分 2,000円
宮城 ガザミ Caserecce 2,000円
岩手・山形村 短角牛 Bistecca 4,800円
※アラカルトが中心。コースは要事前予約。
※価格はすべて税抜

QUINDI(クインディ)

住所
〒151-0064 東京都渋谷区上原2-48-12 東洋代々木上原コーポ 101
電話番号
03-6407-0703
営業時間
11:30~13:30(L.O.)、18:00~22:00(L.O.)
定休日
水曜
公式サイト
http://www.quindi-tokyo.net/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。